PR

「八尺様」について ~見たら終わり?恐怖の都市伝説~

記事内に広告が含まれています。

尺貫法は、日本や中国などの東アジアで使われてきた伝統的な計量法で、長さ・面積・体積・質量などを測定する単位体系です。
「尺」は長さ、「貫(かん)」は質量を表し、これに「升(しょう)」などの体積単位が組み合わさっています。

1尺(しゃく)は、尺貫法における長さの単位で、約30.3センチメートルです。
具体的には、1尺は10寸(すん)に分けられ、1寸は約3.03センチメートルに相当します。
この長さは、江戸時代に定められた「鉄炮尺(てっぽうじゃく)」を基準としており、現代でも伝統工芸や建築、和服の仕立てなどで使われることがあります。

今回は、日本のインターネット上で有名な都市伝説「八尺様」について調べてみました。
八尺様は、背の高い女性の姿をした不気味な存在として知られ、「八尺」(訳240cm)の長身から「八尺様」と呼ばれています。
なぜ「八尺様」が恐れられ、都市伝説の代表として有名になったのか、怖い話が好きな方はぜひ最後までお読みください。

八尺様の起源と歴史

八尺様は、2008年8月26日に匿名掲示板「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)のオカルト板スレッド「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない? 196」に投稿された怪談が起源です。
この投稿がきっかけで、急速にインターネット上で広がりました。

当初は一つの怖い話として共有されていましたが、SNSの普及により、さまざまなバリエーションが生まれました。
例えば、pixivやニコニコ大百科では、八尺様を題材にしたイラストや動画が数多く投稿されています。
八尺様の読み方は「はっしゃくさま」が一般的ですが、「やさかさま」と読む場合もあります。
この都市伝説は、数年から十数年に一度のペースで被害が発生するとされ、謎めいた存在として今も語り継がれています。

八尺様の特徴と容姿

八尺様の最大の特徴は、その身長です。

名前の通り、八尺(約240cm)の長身で、普通の人間とは明らかに違う大きさを持っています。
容姿は目撃者によって異なり、若い女性、中年女性、老婆の姿で現れることがあります。
服装は白いワンピースや黒いドレスが多く、白い帽子や被り物を頭に載せている点が共通しています。
顔ははっきり見えず、不気味な印象を与えます。

行動パターンも独特です。
「ぽぽぽ」や「ぽぽっぽ」といった奇妙な笑い声を発し、ターゲットの知り合いの声を真似して誘い出します。
特に、成人前の子供や若者を狙う傾向があり、数日以内に取り殺すと言われています。
対抗策として、護符(お札)を持ち、四隅に塩を盛った部屋で朝まで閉じこもり、神仏に祈ることが有効とされています。
また、特定の地域に地蔵で封印されていたという設定があり、地蔵が壊されると自由に動き回れるようになるそうです。

典型的な八尺様のストーリー

八尺様の代表的なストーリーは、投稿された2chの体験談に基づいています。

  • 出会いの場面: 主人公(高校生くらいの若者)が田舎の祖父母の家を訪れ、庭の生垣の上に帽子をかぶった長身の女性を見かけます。女性は「ぽぽぽ」と不気味な音を出し、主人公に近づいてきます。
  • 恐怖の夜: 祖父母から八尺様の存在を聞き、Kさんという老婆から護符をもらいます。部屋に閉じ込められ、窓を叩く音や家族の声に似せた呼びかけが聞こえますが、朝7時まで耐え抜きます。
  • 逃走の試み: 翌日、家族や親族が車列を組んで脱出します。八尺様が車を追いかけてくる中、Kさんの念仏や護符の力で何とか難を逃れます。
  • 後日談: 数年後、地蔵が壊されたという連絡があり、八尺様の脅威が続く不安が残ります。

このストーリーは、緊張感あふれる展開で多くの人を引きつけています。似たようなバリエーションとして、大学生が村で調査中に遭遇する話もあります。

八尺様の文化的影響と関連メディア

八尺様は、単なる怖い話にとどまらず、さまざまなメディアで取り上げられています。

pixivではホラーイラストから萌え化した美女のイラストまで多岐にわたり、おねショタ(お姉さんと少年)の要素を取り入れた作品も人気です。
ニコニコ動画では、ゆっくり解説の動画が数多くあり、例えば「【2ch洒落怖】八尺様【ゆっくり】」や「【怖い話】[ご存知ですか?] 超有名都市伝説『八尺様』のその後が怖すぎる…」といった動画で詳細に語られています。

また、漫画や小説では『都市伝説先輩』や『裏世界ピクニック』に登場し、ゲーム『Silent Playhouse Residence』や『バイオハザード ヴィレッジ』のキャラクター(オルチーナ・ドミトレスク)が八尺様に影響を受けていると言われています。

ブログやサイトでも、八尺様の起源や怖い話を紹介するものが多く、ファンサイトでは独自の解釈が加えられています。

八尺様をモチーフにしたキャラクター

八尺様をモデルにしたキャラクターをいくつか紹介します。
八尺様の特徴である「約2.4メートルの長身」「白いドレス」「ぽぽぽという音」を踏まえ、アニメ、ゲーム、漫画などでどのように描かれているのでしょうか。

1. アニメ『裏世界ピクニック』のハスシャクサマ

  • 登場作品: 『裏世界ピクニック』(原作:宮澤伊織、漫画・アニメ化)
  • 特徴: 『裏世界ピクニック』では、八尺様が「裏世界」に住む怪異の一つとして登場します。原作小説やアニメで、主人公の紙越空魚(そらを)と仁科鳥子が遭遇する「ハスシャクサマ」は、八尺様の伝統的な特徴を踏襲。白いドレスに長い黒髪、異様な長身で現れ、子どもをターゲットにする恐ろしい存在として描かれています。特に、原作では彼女の不気味な雰囲気が強調され、独特の「ぽぽぽ」音も再現されています。
  • 解説: この作品では、八尺様が現代のインターネットミームや都市伝説文化と結びつき、ホラー要素に深みを与えています。アニメ版は、八尺様のビジュアルを忠実に再現しつつ、独自の解釈を加え、ファンからも注目されています。

2. ゲーム『Sense: A Cyberpunk Ghost Story』のTall Woman

  • 登場作品: 『Sense: A Cyberpunk Ghost Story』(香港のインディーゲーム)
  • 特徴: このゲームのボーナスチャプターで、八尺様をモチーフにした「Tall Woman」が登場します。日本の幽霊伝説とサイバーパンクを融合させた作品で、Tall Womanは白いドレスに長身、異様に長い手足を持ち、森の中で主人公を追い詰める敵として描かれます。彼女の不気味な動きや即死攻撃は、八尺様の「子どもを攫う」という設定を反映しています。
  • 解説: 日本国外でも八尺様が取り上げられ、国際的なホラー文化に影響を与えている例です。特に、ゲームの舞台が日本の幽霊話にインスパイアされている点が、八尺様のグローバルな人気を示しています。

3. ゲーム『バイオハザード ヴィレッジ』のオルチーナ・ドミトレスク

  • 登場作品: 『バイオハザード ヴィレッジ』(カプコン)
  • 特徴: 八尺様そのものではありませんが、レディ・ドミトレスク(身長約2.9メートル)は、八尺様の長身で威圧的な女性像に影響を受けたキャラクターと考えられています。白いドレスと優雅な雰囲気を持ちながら、恐ろしい本性を隠す点は、八尺様の「魅惑と恐怖」の要素を彷彿とさせます。彼女の登場は、八尺様のような都市伝説のイメージが西洋のホラーにも影響を与えていることを示唆します。
  • 解説: ドミトレスクは世界中で話題となり、八尺様の「長身の女性ホラー」というモチーフがグローバルなゲーム文化に広がるきっかけとなりました。

4. アニメ『地獄先生ぬ~べ~』の類似キャラクター

  • 登場作品: 『地獄先生ぬ~べ~』(原作:真倉翔、岡野剛)
  • 特徴: 明確に八尺様とはされていませんが、『地獄先生ぬ~べ~』に登場する長身の女性妖怪や幽霊キャラクター(例:特定のエピソードでの妖怪)は、八尺様の影響を受けた可能性があります。特に、子どもをターゲットにする妖怪や「不気味な音」を発する存在が、八尺様の特徴と重なる部分があります。
  • 解説: この作品は日本の妖怪文化を幅広く取り扱っており、八尺様のような現代の都市伝説が伝統的な妖怪話と混ざり合う例としてあげられます。

5. ゲーム『OMORI』のPo

  • 登場作品: 『OMORI』(インディーRPGゲーム)
  • 特徴: 『OMORI』のキャラクター「Po」は、八尺様を直接的にモチーフにしたとされる存在です。プレイヤーのRedditコミュニティで話題になり、Poの不気味な外見や「ぽぽぽ」に似た雰囲気は、八尺様の都市伝説を彷彿とさせます。このゲームは心理ホラー要素が強く、八尺様の「子どもを狙う」というテーマが物語に組み込まれています。
  • 解説: インディーゲームでの八尺様モチーフの採用は、都市伝説が若者文化やサブカルチャーに浸透していることを示しています。

八尺様は実在するのか?

結論から言えば八尺様は、実在しません。
フィクションの都市伝説です。
実際の目撃情報や歴史的な記録として確認されたものはなく、すべてがネット発祥の物語に基づいています。

ただし、八尺様のイメージは、古い日本昔話や妖怪伝承にインスパイアされた可能性があります。
昔の文献で八尺様に似た特徴の「長身の女性」「不気味な出現」「人を狙う」といった特徴と重なる妖怪・怪異は記録されています。

  • 高女(たかおんな)
    高女は、江戸時代の妖怪画家・鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776年)に登場する妖怪です。下半身を長く伸ばして建物の2階を覗き込む女性の姿で描かれ、醜い女性が嫉妬から化けた存在とされています。
    特徴は「身長を自在に伸ばす」「女性の姿」「人を脅かす」点で、八尺様の長身と不気味な出現に似ています。起源は江戸時代の遊廓(ゆうかく)文化を風刺した創作と考えられ、和歌山県や秋田県の地方伝承でも似た話があります。
    例えば、秋田の怪談では醜い女が家屋の2階を覗き、驚かせる存在として語られています。この妖怪はインターネット以前の古典的な例で、八尺様のモチーフとしてしばしば指摘されます。
  • 山女(やまおんな)または山姥(やまうば)
    山女は、古くから日本各地の山岳伝承に登場する長身の女性妖怪です。
    江戸時代の文献『奥州波奈志』や『醍醐随筆』に記述があり、身長2丈(約6メートル)もの色白で長い黒髪の女性が木の間に現れる話があります。
    山姥はさらに古く、『日本書紀』や中世の昔話にルーツを持ち、山中で人を襲ったり誘惑したりする存在です。特徴は「長身」「白い肌」「長い髪」「山中での出現」で、八尺様の容姿と行動パターンが類似します。
    例えば、熊野の山中で野猪を追う白い女の話や、日向国(宮崎県)の猟師が遭遇した全身色白の怪しい女の記録があります。
    これらは警告譚として語り継がれ、八尺様の「田舎での遭遇」という設定に影響を与えた可能性があります。
  • 江戸時代の文献『秉穂録』に登場する八尺の女性の死骸
    江戸時代の随筆『秉穂録』(ひんぽろく)には、身長八尺(約2.4メートル)の女性の死骸が山中で発見された記述があります。
    髪が足まで届くほど長く、口が耳まで裂け、目が大きいという特徴で、処理されず放置されたそうです。
    この話は、八尺様の身長や不気味な容姿と直接的に類似し、一部で八尺様の元ネタとされることがあります。
    ただし、これは実在の事件ではなく、怪談風の記録です。類似の話として、柳田国男の『山の人生』(1925年、ただし内容は古い伝承に基づく)にも、長七八尺の毛深い存在の記述がありますが、こちらは女性とは明記されていません。
  • 七尋女房(ななひろにょうぼう)
    島根県や山陰地方の伝承で、身長10メートル以上にもなる女性妖怪。大きさを自在に変え、キツネやネコの化身とされ、人を脅かす話があります。
    八尺様の「身長の異常さ」と共通します。
  • 大女房(おおにょうぼう)
    島根県の昔話で、力持ちの大きな女性が登場。
    妖怪というより民話ですが、長身の女性のイメージが重なります。 これらの話は、江戸時代や明治時代の文献(例:『醍醐随筆』、『奥州波奈志』)に散見され、口承で伝えられてきました。
    八尺様のような「子どもを連れ去る」要素は少ないですが、長身の女性は恐いという印象を与える話です。

まとめ

八尺様は実在しない現代の都市伝説ですが、高女や山女といった日本古来の妖怪や昔話に影響を受けた存在と考えられます。
インターネットの力で再解釈された妖怪とも言えるでしょう。

その特異な容姿はアニメ、ゲーム、漫画などでモチーフとして登場し、『裏世界ピクニック』のハスシャクサマや『バイオハザード ヴィレッジ』のドミトレスクなど、国内外のホラー文化に影響を与えています。
そしてその不気味な魅力がクリエイターを惹きつけ、伝説を新たな形で残しています。

八尺様はフィクションです。
怖い話として楽しむ分にはよいですが、過度に信じ込むのは避けましょう。
八尺様はいません。八尺様はいません。八尺様はいません。

……ぽ…ぽぽ